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It slowly ruins.

□ 動く携帯組(カオス) □

ヴェラスキャルヴの優越 08




さて。
・・・・・・・・・なんというか。
今デスノに拍手はいってるとびっくりですね。
あー
以下のページにもうちょっと読みやすい跡地がありますんで、もしよろしければ。
消そうと想ってるんですが(それでBLOGに配置換えした)ついつい面倒で放置中・・・
こちらにアプてないものもあります
もらいものとか。あげものとか。  spinnerlie




というわけで 以下
なんかすごく今更のように 桐網ります(どんな動詞よ



「・・・の、馬鹿!石頭!いーかげんにしろっ!」

プツ、という音は聞かなかった。
が、明らかにキレた台詞に桐原はいいタイミングだなと顔を上げた。
あの日から2週間。
元々飄々としている割に熱くなりやすい後輩は、なかなか実を結ばない現状に業を煮やして半べそで立ち上がった。
顔は見ていないが、声でわかる。
付き合いは3年目。彼との相棒の時間より長い。

「なら、折角だ。俺に付き合えよ、ケイタ」
「は?っ、きり・・」

目元の赤いのを隠そうと俯こうとするあごを押さえて、しょっぱい味になってしまった、熟れた果実のような目元を舐めあげて、桐原はひょいとその身体を担ぎ上げた。

「ぎゃっ」
「色気ねぇな。仮にも恋人だろう」
「タイミングの問題です」
「だからだ」
「え?」

「泣く理由をやるから、それでやる気をとりもどせ」

逢いたいんだろ?
諦める気はないんだろう?
続けて告げた言葉に、うん、と本当に幼子のような仕草で、ケイタは頷いて、手の触れる大人の背中にしがみついた。


いわば超過冷却の状況だと、自らのバディと、その大切な人が席をはずしたパソコンルームでまだ「データ」の中にいるサードは想う。
「セブン」を構成するものは殆ど集まっているはずだ。
なのに、それらはさらさらとお互いがかみ合わって一つになろうとはしていない。
ゼロワンとも相談する。
同じような手ごたえを、彼も訴えた。
そのための接着剤のような役割を負っているのは間違いなくアミシマケイタという存在なのに、なにかフィルターが彼らを隔てる。

「なにが、不足しているのでしょうか?」
「さぁな。少なくとも俺たちにはわからないものが。
・・・まったく、手のかかる末っ子だ」
「目が離せず、困ったものでゴザイマスね、ゼロワン」
「あぁ」

なのに、不愉快ではないのだから、不思議だ。




「あ」
「・・・・・・・ケイタ?」
「滝本さん」
「あ?」
「滝本さんなら、どうしたかなって」
「おい」
「いえ、別に現実逃避とか、逃げとかってつもりはなくて。
ただ、やっぱあいつの中でも大切な人であるのは間違いないから・・・」
「やれやれ。ベッドの中でも別の男二人の話題か」
「ちょっ!桐原さんっ」
「単なるクダだ。気にするな」
「気にするようなこと言ってるくせに。
だいたい、一応男キャラですけどセブンをカウントしないでくださいよ。
俺、サードに嫉妬するのいやですからね」
「そうなのか?」
「だって、一人だった桐原さんのそばにいてくれた」
「・・・・・・・」
「あの時だって、俺じゃなくて・・・、結局止めたのは、サードです」
「両方だ」
「知ってますけど。だって桐原さん、サードに"別れる"って言われたから我慢したんでしょ?」
「充分嫉妬してるな。
ついでに余裕があるってコトだ」
「はへ?ちょっ・・・ぁ・・ッ」


キングサイズベッドは、桐原が居を構えてきた時からあったものだ。
恋人を想定していたわけではなく、ごく単純に面倒で、ゆったり寝たかったからだ。
だが、ここで眠る時間は、自分よりもケイタの方が長い。
今も眠っている、というより、桐原のムチャで意識のないケイタの目元はさっきよりも赤い。
それはそうだ。桐原が散々泣かせた。

「俺を省みなかった罰も入ってるからな」

こっそりと囁いた桐原の独占欲を咎める耳は今どこにもない。
もうすぐ騒がしくなるのを確信していた。
だからこそ。
今の静かな時間を愛しみながら、彼はゆったりと目を細め、疲れている恋人の頬に唇を落とした。



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 うわ。めずらしっ?!こういうのめずらしっ(動揺
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Date:2009/06/11
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